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遺骨は海に撒いても大丈夫?海洋散骨と環境について説明いたします

自然葬の一種として認知されつつある海洋散骨ですが、海洋汚染に繋がるのではないかと考える方も多いかと思われます。お墓にご遺骨を埋葬する一般的な方法とは異なるこの葬送方法にはまだ理解が追い付いていない状況と言えるでしょう。「果たしてご遺骨を海に撒いても大丈夫なのか?」「海洋環境に影響はないのか?」「専門の業者に依頼して粉骨を行えば何の問題もないのか?」そういった素朴な疑問に対し、「ご遺骨の主成分」や「六価クロム」、「ゴミ問題」、「周囲への配慮」といった、海洋散骨と環境の詳細を以下にご紹介していきたいと思います。

Contents

海洋散骨と環境① 遺骨の主成分

海洋散骨が環境に与える影響を考察するに際し、遺骨の主成分が何で構成されているのかを理解しなければなりません。遺骨の主成分はリン酸カルシウムと呼ばれる物質になります。元来、人間の骨は約70%がハイドロキシアパタイトと呼ばれるリン酸カルシウムの一種で構成されており、火葬後にリン酸カルシウムが遺骨として残ることになります。リン酸カルシウムは動物の骨や歯の主成分だったり、動植物の細胞や器官内に含有しているため、自然界に溢れている物質です。ですから海洋散骨された遺骨に含まれるリン酸カルシウムも、いずれは微生物の働きによって自然に還ることになり、遺骨の主成分が環境汚染のリスクになる訳ではありません。海洋散骨を行う際には、遺骨を粉骨して2mm以下のパウダー状にするという暗黙のルールがあります。ご遺骨をそのまま海洋散骨すれば遺棄罪に該当するからです。また、ご遺骨を水に溶けないビニール袋に入れて海洋散骨をすると海洋汚染になりますので注意してください。

海洋散骨と環境② 六価クロム

遺骨には「六価クロムという有害物質が含まれている」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。六価クロムとは、自然界にほとんど存在しない強い毒性を持つ有害物質です。遺骨の主成分はリン酸カルシウムですが、長期間に渡って高温に曝された(棺を載せる)ステンレスの架台から発生した六価クロムが火葬の過程で遺骨に付着することがあります。必ずしも環境基準値を超える六価クロムが含まれているとは限りませんが、環境に配慮しながら散骨をするためにも無毒化する処理が必要になります。粉骨は専門業者に依頼して行いますが、きちんとした業者であれば粉骨の際に六価クロムを無害化する処理をします。これは環境汚染対策だけでなく、六価クロムの発がん性物質から粉骨をするスタッフの健康を守るためでもあります。ルールを守って海洋散骨を行うためにも粉骨と散骨は経験豊富な専門業者に任せるのが賢明です。

海洋散骨と環境③ ゴミ問題

海洋散骨の際、お花を添えたり、故人が好きだったお酒を撒いたりすることもあります。そして、お花やお酒を添えるにしても、環境への配慮が必要になります。遺骨を入れるための紙袋は水溶性の紙を使用し、献花の際はビニールやセロファン、リボンなどは外し、花びらのみを撒きます。花を包んでいたセロファンや輪ゴムなどは、海に撒かずに持ち帰るのがマナーです。お酒を撒くこと自体は構わないのですが、これにも節度はあります。海中生物の生活場所になりますので、環境汚染にならないように細心の注意を払って行うことが必要です。このように、ビニールやプラスチックなどは使用せず、撒く量や素材に配慮し、自然に還らない素材を使わないようにすることで、環境への影響を最小限に抑えるようにしましょう。また、海洋散骨をした時に出たゴミは海に捨てるようなことはせず、すべて持ち帰るようにしてください。

海洋散骨と環境④ 周囲への配慮

海洋散骨は節度を守って行えば法令違反にはなりません。例えば、明らかに遺骨と認識できるものを海へ撒いているところを目撃した方が不快な気持ちになることも考えられます。粉骨を行うことで、遺骨と認識できないようにすることは、周囲の方への配慮の一つでもあります。また、海洋散骨を行う際の服装にも注意が必要です。クルーザーの乗船場には一般客もいる為、喪服を着用するのはマナー違反となります。また、特別な条例が制定された地域でなければ法令違反にはならないかもしれませんが、海水浴場や漁場、養殖場の周辺、川や沼などの水源や漁業権の問題がある場所、フェリーやルート船の航路での海洋散骨はモラルに反すると考えた方がよいでしょう。環境汚染にはならないにしても、漁場や養殖場、海水浴場は風評被害によって産業そのものに多大な影響を与えてしまうこともありますので、細心の注意が必要です。通常、専門業者であれば船で沖合まで出て、周囲に何もない海域で海洋散骨を行います。

まとめ

海洋散骨は専門の業者に依頼し、ルールを守って行えば何の問題もありません。六価クロムの有害物質の含有量はごく微量ですので、すぐに海洋汚染に繋がることはまずありません。しかし、環境問題をしっかりと認識している専門業者では、必ず六価クロムの処理を行っています。現在の我が国では海洋散骨の法的な扱いはまだまだグレーゾーンですが、豊かな海の環境を守り、故人に安らかに眠って貰うためにも節度を守って行うことが求められています。この記事が皆様それぞれに適した供養を選択する上でお役に立つことができたら嬉しいです。お読み頂きありがとうございました。

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